児童生徒に1人1台配られている情報端末のトラブルや、システム設定の対応にあたる「GIGA(ギガ)スクール運営支援センター」事業が全国の自治体で始まった。現場を訪ねると、効果的に端末を使いたい教員の要望に、丁寧に応じるスタッフの姿があった。教育現場のデジタル化が急速に進み、継続的にサポートする役割は大きいようだ。
茨城県笠間市の山あいに立つ「県教育研修センター」の一室に2人の女性が詰め、パソコンのモニターに向かう。「カレンダー機能を教科や学年ごとに分けて共有したい」「YouTubeが閲覧できない」……。モニターに映し出される管理表には、学校からの問い合わせ内容が書き連ねられている。
県教育委員会が今年度から始めたGIGAスクール運営支援センター事業。IT業者に委託して設けたヘルプデスクで、県立の高校や特別支援学校から寄せられるパソコンやネットワークに関する相談やトラブルを受け付ける。
運営支援センター専用ホームページ(HP)の問い合わせフォームに教員らが困りごとを書き込むと、センターの端末にメールで届く。パソコンやタブレット、アプリの操作などであればスタッフが対応し、修理やネットワークのトラブルなら専門の業者につなぐ「ワンストップ」の対応が売りだ。
約1カ月で寄せられた相談は約30件。「高度な機器の取り扱いから、初歩的なものまで様々」とスタッフの椎木菜穂子さん(42)は言う。印象的だったのは、体の不自由な人が視線を移動させることで文字入力などができる海外製の機器が動かないというトラブルだった。相談主は特別支援学校の教員。椎木さんが直接メーカーに問い合わせ、英語のメールでやり取りを重ねて解決に導いた。
逆に、「教材ファイルがアップできない」というトラブルに対しては、オンライン会議システムを使いながら、相談を寄せた教員と1時間近くにわたって格闘。容量の軽いダミーファイルを試してみると、簡単にアップできた。上げようとした教材のデータが重すぎた、という単純な原因だった。
「どう分かりやすく丁寧に対…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル